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なぜ石垣島の土地を売却できたのか

『なぜ石垣島の土地を売却できたのか』

依頼の経緯

依頼者の方は石垣島のご出身。
現在は名古屋に住んでいますが、石垣島の土地を相続で取得されました。今はインターネットがあるので現地の不動産業者に頼めば売却もできますが、直接会って打ち合わせをすることは難しく、現地に足を運ぶにも時間もお金も必要です。
そこで、私のことを知っている方から一度相談に乗っていただけませんか?と相談があったのがきっかけです。

売却できた理由

色々な幸運に恵まれたからということが一番の理由ではありますが、不動産取引の仕組みが大きく関係しています。

不動産仲介の仕事は仲介が成立した時に手数料を頂きます。1000万円の土地仲介で頂戴する報酬は最大で税込40万円弱です。

売主は売却を不動産会社Aに依頼し、買主は購入を不動産会社Bに依頼し不動産会社A、Bが依頼者のエージェントとなって不動産会社同士で交渉するというのが一般的です。不動産会社A、Bはそれぞれの依頼者から約40万円弱の成功報酬を頂きます。

こういった事情から売主の依頼者の方は現地の不動産業者に依頼しても、近くにいる私に依頼しても支払う報酬は同じ約40万円ということになります。

この流れをご理解頂き知り合いの紹介だから安心ということでご依頼頂きました。
依頼者の方は現地に行かなくても、私が成功報酬の中で現地調査費が捻出できれば余分な費用も掛けなくて済むということになります。

現地の不動産業者や専門家(測量を担当する土地家屋調査士など)と協力すれば取引可能だという想定と経費の計算もしながらご依頼を受けました。

事前調査

現地に何度も行けないこと、現地の不動産業者と対等に話をするため情報収集は重要です。石垣市役所への電話や法規関係の調査(石垣市風景条例を読むのは大変でした)、法務局、沖縄県、地元土地家屋調査士(隣地境界杭の調査や測量費用の相談)、解体業者、知り合いから様々な情報収集を行います。

石垣島がほぼ岐阜市と同じ面積で人口は岩倉市と同じくらいということ、市街地は土地取引が盛んですが、市街地以外は石垣市風景条例ができて以降は移住と建築の盛り上がりもひと段落しているという事情などこちらで調べられる情報はたくさん集めます(おかげ様で石垣島にとても詳しくなりました)。

現地調査

現地に行かないことには状況が分かりません。しかしまとまった日程も確保しないと行けない。報酬の中で経費を出すためには航空券も前もって予約する必要があります。

現地の調査、近隣の方との面談、土地家屋調査士との現地打ち合わせ、現地で協力してくれる不動産業者探し、市役所などの法規調査の確認。これらにかかる日程を4日と見積もって現地調査を行いました。(石垣島の空気感を体中で体感しながら)。

石垣島の特徴

石垣市風景計画という景観法に基づく制限が一番の特徴です。建築が難しいエリアもありますし、建物に制限がある地域も多いです。又、愛知県と比べて解体費用や建築資材は高くなります(島内での解体物の処分や、島に運び入れるコストを考えるとなるほどということばかり)。海を汚さないために排水も厳しいです。

愛知県より登記や測量などの費用は抑えることができました(愛知県より物価は安いんだと思います)。

取引を終えて

今回取引したのは島の中央部、「野底」という地域です。ヨーガンレールさんが石垣の家を建てて住んでいらしたところとしても知られています。
集落から歩いてすぐの目の前に観光客がいない自然のままの海岸線が広がっています。
僕にはとてもきれいな海に見えましたが、これでも以前よりは随分と汚れているそうです。

石垣の仕事は自分が大切にしてきた「自然」への考えを深めてくれるきっかけになりました。現地調査の約半年後に売却が完了しました。

家族で石垣島に移住した方が定住するための土地をずっと探しており、今回の土地の購入を決めて頂けました(地元不動産会社のNさんのおかげです)。
途中困難なこともありましたが、現地の方々にも助けられ、依頼者の持つ幸運に恵まれたことすべて感謝です。

「人」がギスギスしておらず、島の人、みなさんがとても大らかです。

仕事のペースも大らかなので戸惑うことはありましたが、仕事がうまくいったのは間違いなく島の人たちの人柄のおかげです。

これからも依頼者の方に必要とされればできることはやっていこうと思っています。

南ぬ島石垣空港
ここに家が建ちます
緑のトンネルの先
泳げる季節ですが誰もいない海
近くの吹通川(マングローブ)
隣のおばちゃんに勧めらえた北部の海
平久保崎灯台の眺め