『建築を考えた土地探し 後編』
「設計してみる」
可能なのであれば不動産屋が依頼者の検討地で設計のラフ案を描けるのが一番いいのかなと思います。検討している土地に対してリアルタイムでアドバイスができます。
私たちは設計のアドバイスなので設計や住宅の依頼先が別にあっても全く問題ありません。それどころか依頼先の方と情報共有できればさらによいアドバイスができます。
こういう役割の人が「いたらいいな」の不動産屋の仕事が後編の話しです。
お話を重ねて、建築ツアーや勉強をした頃には私たちも依頼者の方の好きなデザインや土地の決め手が分かってきています。
一緒に現地を見に行く際には事前に現地を検討した上、簡単なスケッチを準備していきます。
土地をご案内する際に「設計してみる」ができれば土地探しの失敗はかなり減ります。
一見、条件だけみると満点だと思う土地も、建物を計画していくと想像していたものと違うということも起きてしまいます。
逆も然りで、設計の工夫でとても魅力的になる土地もありますが建物がイメージできないと気付くことができません。
庭と建物のバランス、駐車場の停め方、日照、風景などは購入を決める前にイメージしておきたいところです。
ここまで来るとゴールは近いです。
依頼者の方の準備がしっかりできているので、自分たちにとっての「価値ある土地」に出会えるタイミングが必ずきます。
この後は設計士さんにお任せするだけ。私たちはその準備段階の仕事です。
困った時のアドバイザー。
その後はお守りのような存在で住まいづくりを見守ります。
・片流れの平屋に近い建物がよい
・この土地の魅力である南の景色を活かせるか
・前面道路が広くないので駐車が心配
・駐車場と家と庭のボリュームが分からない
土地を決めるためのスケッチなので、この後の設計図はまた違ったものになっていますが、この土地ではこういう計画ができると知ることで「この土地に決めよう」と家づくりのスタートを切ることができました。